Azureクラウド入門 - 主要サービスの全体像を掴む
Azureを初めて学ぶ若手エンジニア向けに、クラウドの考え方からリソースグループ、計算・保存・通信・認証の主要サービス、Azure CLIでの実践までを全体像として整理して解説します。
サーバーが「届くのを待つ」時代の記憶
数年前まで、新しいWebサービスを立ち上げるには物理的なサーバー機を購入し、データセンターに設置し、電源とネットワークをつなぐまで数週間待つのが当たり前でした。アクセスが増えれば機械を買い足し、減れば余った機械の電気代を払い続けます。
この「先に全部そろえておく」やり方をひっくり返したのがクラウドです。ここでいうクラウドとは、他社が用意した巨大なデータセンターの計算資源を、必要なときに必要なだけ借りて使う仕組みを指します。Microsoftが提供するクラウドが Azure(アジュール)です。
この記事では、Azureの数百あるサービスを一つずつ覚えるのではなく、「どこに何があるか」という地図を頭に描くことを目標にします。地図さえあれば、個々のサービスは必要になったときに調べられます。
リソースグループ — 散らからないための片付け箱
Azureを触り始めた人が最初に戸惑うのが、作ったものがどこにあるか分からなくなる問題です。これを防ぐ仕組みを先に理解しておきます。
Azureで作るサーバーやデータベースなど、一つひとつの部品をリソースと呼びます。そして関連するリソースをまとめて入れておく箱がリソースグループです。たとえば「ブログサービス用」というグループに、Webサーバー・データベース・保存領域をまとめて入れておくイメージです。
なぜ箱が要るのでしょうか。理由は、まとめて管理・削除できるからです。実験用に作ったリソースを一つずつ消すのは手間で、消し忘れると課金だけが続きます。リソースグループごと削除すれば、中身も一括で消えます。
その一つ上にはサブスクリプションという単位があります。これは課金と権限のまとまりで、「この請求書に紐づく契約」だと考えてください。個人の学習用と会社の本番用でサブスクリプションを分ける、といった使い方をします。
つまずきポイント: 検証で作ったリソースを本番用のリソースグループに混ぜてしまうと、後で「本番だけ残して検証だけ消す」ができません。最初に
test-などの接頭辞を付けた専用グループを作る習慣をつけておくと、迷わず丸ごと削除できます。
四本の柱 — 計算・保存・通信・認証
サービスの数は多くても、役割は大きく四つに分けられます。この四本柱で全体像をつかみます。
計算 — プログラムを動かす場所
**計算(Compute)**は、書いたコードを実際に走らせる場所です。代表は二つあります。
一つは仮想マシン(VM: Virtual Machine)。これは1台分のコンピューターをまるごと借りるもので、OSの選択から細かい設定まで自分で握れます。自由度が高い反面、OSの更新やセキュリティ対策も自分の責任になります。
もう一つはApp Service。これはWebアプリを置くだけで動かせる、いわば家具付きの部屋です。OSの面倒はAzure側が見てくれるので、アプリのコードに集中できます。「まずWebサイトを公開したい」ならApp Service、「特殊なソフトを入れたい」ならVM、というのが最初の目安です。
保存 — データを置く場所
**保存(Storage)**は文字どおりデータの置き場です。用途で種類が分かれます。
画像やログなどのファイルをそのまま置くならBlob Storage(Blobは「かたまり」の意)。表形式のデータを検索したいならAzure SQL Databaseのようなデータベースサービスを使います。ここでの判断軸は「後でどう取り出したいか」です。検索や集計をしたいデータをファイルとして置いてしまうと、扱いに苦労します。
通信 — つなぐ・守る場所
**通信(Networking)は、リソース同士やリソースと外部をつなぐ配線です。中心になるのが仮想ネットワーク(VNet: Virtual Network)で、リソースを置くための専用の区画だと考えてください。外部からどの通信を通すかを決める門番がネットワークセキュリティグループ(NSG)**です。
認証 — 誰かを確かめる場所
**認証(Identity)**は「誰が何をしてよいか」を管理します。Azureでは Microsoft Entra ID(旧称 Azure Active Directory)が担当し、ユーザーやアプリに対して権限を割り当てます。ここを雑にすると、必要以上の権限を持ったアカウントが事故の入り口になります。
実際に触る — Azure CLI で最初のリソースを作る
地図が描けたら、手を動かして感覚をつかみます。ここではAzure CLIを使います。これはAzureをコマンドで操作するツールで、コマンド名は az です。画面(ポータル)での操作と違い、手順を記録・再現しやすいのが利点です。
前提として、Azureの無料アカウントと、az コマンドのインストールが必要です。まずログインします。
# Sign in; a browser window opens for authentication
az login
# List your subscriptions to confirm which one is active
az account show --output table
az login はブラウザを開いて本人確認をします。az account show で、いま操作対象になっているサブスクリプションを確認できます。複数の契約を持つ人が、意図せず別の契約側にリソースを作ってしまう事故を防ぐための確認です。
次に、片付け箱であるリソースグループを作り、その中に保存領域を一つ作ってみます。
# Create a resource group named "test-intro-rg" in the Japan East region
az group create \
--name test-intro-rg \
--location japaneast
# Create a storage account inside that group
az storage account create \
--name introblob$RANDOM \
--resource-group test-intro-rg \
--location japaneast \
--sku Standard_LRS
一つ目のコマンドで箱を作り、二つ目でその箱の中に保存領域を作っています。--resource-group で必ず箱を指定する点が要です。ストレージアカウント名(--name)は世界中で重複できないため、$RANDOM で乱数を足して衝突を避けています。--sku Standard_LRS は保存の等級で、LRSは同一地域内で三重に複製する最も安価な方式です。
学習が終わったら、箱ごと削除します。
# Delete the whole group, and everything inside it
az group delete --name test-intro-rg --yes
つまずきポイント: 削除は取り消せません。プロが必ずやるのは、消す前に対象を目で確かめることです。
az resource list --resource-group test-intro-rg --output tableを先に実行し、中身が本当に検証用だけかを確認してから削除してください。名前をtest-で始める習慣が、ここで効いてきます。
料金についても一言。多くのサービスは使った時間や量に応じて課金され、止め忘れたVMは動いていなくても割り当てられている限り課金が続くことがあります。学習後にリソースグループごと消すのは、財布を守る最も確実な習慣です。
まとめ
- クラウドは、資源を買いそろえるのではなく必要なだけ借りる仕組みで、AzureはそのMicrosoft版です。
- リソースはリソースグループという箱にまとめ、その上に課金と権限の単位であるサブスクリプションがあります。
- サービスは計算・保存・通信・認証の四本柱で捉えると、個々の名前に惑わされません。
- 削除は取り消せないため、消す前に中身を一覧で確認するのがプロの手順です。
次の一歩として、今日は無料アカウントを作り、az login から上のリソースグループ作成・一覧確認・丸ごと削除までを一度通してみてください。作って壊せる箱を一つ持つと、この先どのサービスも同じ手触りで試せるようになります。
※ この記事はAIが自動生成したものです。本記事の内容は執筆時点の情報であり、正確性を保証するものではありません。ご利用の際は免責事項をご確認ください。
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